本州最南端に位置する和歌山県串本町は、世界で初めて本マグロ（クロマグロ）の完全養殖に成功した地です。そのためマグロの養殖が盛んで、美味しいマグロに育てる技術・ノウハウを持っています。
本マグロといえば「海のダイヤ」とも呼ばれる高級魚です。串本のマグロは、１年を通して供給量と品質が安定していて、鮮度が良くトロ部分が多いのが特徴です。とろけるような口当たりと濃厚な旨みが魅力です。
２００２年６月、串本町大島の実験場で、世界で初めて本マグロの完全養殖に成功しました。１９７０年から３２年間の試行錯誤の賜物です。
それまで養殖は天然の稚魚を捕獲して飼育していましたが、完全養殖は卵から人工ふ化した仔魚を稚魚・若魚・親魚と育て、その親魚からの産卵でまたサイクルを繰り返します。すべてのプロセスを人工で行えるようになったことで、減り続ける天然マグロを捕獲することなく本マグロを供給できるようになりました。
【天然マグロと養殖マグロに違い】
天然マグロは、広大な海を延々と泳ぎまわって育つ遠洋性回遊魚です。養殖マグロは、卵からかえったばかりの稚魚を育てるか、卵から人工ふ化させて育てる完全養殖かです。
単純に天然だから美味しいというわけではありません。
天然マグロには旬があります。時期によっては脂がのっていないこともあり、また泳ぎ続けて育つので身が引き締まり赤身が多くなります。
養殖マグロは、水温をコントロールしてエサも選んで与えられることから１年を通して味が安定しています。水揚げ時の技術の発達により鮮度が保たれ、脂がのって濃厚です。
近年では養殖マグロも天然に負けず劣らずの評価を受けています。その中でも串本は、黒潮の影響を受けて温暖であり、潮通しが良くて養殖には最適なエリアです。美しい海にある広々とした生け簀で養殖された串本の本マグロは、高品質で高鮮度。大変美味です。